「バーソは自由に」

考え方はいろいろあるから面白い。

 シャガールとブリューゲルと小村雪岱の“お手上げ”の絵。 

こる出来事をどう見るかで、現実は変わってくる。

イカロス※1と父親が王の不興を買い、クレタ島に幽閉されていたとき、
父親は空を飛んで脱出することを考え出した。
鳥の羽を蝋(ロウ)で接着して二人分の翼を作り、その取り扱い説明を息子にする。
「息子よ、太陽に近づいてはならない。熱くなると蝋が溶けてしまうから」

q2icaroo.jpgしかしイカロスは調子に乗り、天高く舞い上がった。
太陽の熱さで蝋が溶け、羽が飛び散り、
哀れ、若者は手をバタバタ、お手上げ状態で
真っ逆さまに墜落―――。

Jacob Peter Gowi, La caida de Icaro(1636-38)

ギリシア神話では、イカロスはエーゲ海に落ちてしてしまうのだが、
ロシア生まれのユダヤ系画家シャガールは、イカロスが地上に浮遊降下するように描いた。

マルク・シャガール 『イカロスの墜落』 1974-77 (213×198cm)
chagalljpg.jpg

イカロスの両手は下向きだが、彼の観点からすれば万歳状態で、地上に手を振っている。
地上は、シャガールの出身地である帝政ロシア領ヴィテブスクに居住するユダヤ人たち。
イカロス直下の地元の人々は赤く熱い心で彼を迎え、周辺の人たちは青く静かに見守っている。
太陽は青く、イカロスを焦がしてない。上空にいる天使(?)は手を差し出して微笑んでいる。

この絵は、シャガールが98歳で亡くなる8年前に完成させた縦横およそ2メートルの大作。
太陽の高みを目指して絵を描き、最後はフランス国籍を取得したシャガールのイカロスは、
凋落のお手上げ状態ではなく、むしろ故郷に錦を飾る帰還を果たしているようにも思える。

“イカロスは舞い降りた”とジャック・ヒギンズ調に言いたい凱旋シーンに見えないだろうか。

(翔)―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

イカロスは、世間に知られず、こっそりと墜落した。

16世紀のフランドル(現ベルギー)の画家ブリューゲルが同じ神話を描いている。※2
この絵もかなり変わってる。肝心のイカロスが主役として目立っていないのだ。

ピーテル・ブリューゲル 『イカロスの墜落のある風景』 1556-58年頃 (73.5×112cm)
ikBreughel.jpg

qzzok.jpgでは、脇役イカロスはどこにいるのか。
彼は、帆船の手前の海面を舞台に、
一人で“脚上げ”レヴューの真っ最中。
周囲には白い羽が少し散乱しているので、
イカロスだと分かる演出になっている。

(部分拡大)
 
面白いのは、人が空から海に落ちたのに、他の人間はまったく気づいていないことだ。
●手前にいる農夫は、狭小畑地で馬に鍬を引かせ、黙々と農作業をしている。
 (画面の中では一番大きく、赤い衣服で目立っていて、これが絵の主役に見える)
●その向こうにいる羊飼いは、ボーっとして、墜落したイカロスとは違う方向を見ている。
●画面右下の崖にいる男は釣り人らしいが、釣り竿の先に気持ちを集中している。
この絵のタイトルは『イカロスの墜落』ではない。『イカロスの墜落のある・・・風景』である。
人の孤独死が問題にされているのではなく、人のお手上げ状態に誰も気づいてないことが
焦点になっており、むしろ気づかないほうが無事に生きられるとの解釈もあるようだ。※3

ブリューゲルのイカロスは、お手上げのうえに、さらに脚上げ。悲惨だが、牧歌的である。

(転)――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

水面で脚を上げている姿は、万事休すの“お手上げ”状態を表す。
大正昭和の挿絵画家、小村 雪岱こむらせったいがブリューゲルの墜落したイカロスに似た脚を描いている。
邦枝完二が1934(昭和9)年から読売新聞に連載した大衆小説『お伝地獄』の挿絵である。

小村雪岱 『川に投げ込まれたお初』 (原画:田中屋コレクション)
Fhhkh.jpg
お伝とは強盗殺人罪により29歳で斬首刑に処せられ、「明治の毒婦」と呼ばれた高橋お伝。
お伝が夜鷹(娼婦)のお初と金のもつれから大喧嘩を始めると、すーっと黒い影が近寄り、
お初をざんぶと川の中に放り込む。この印象的な構図がイカロスの脚を思い出させる。

面白いのは、「原画」と小説の「挿絵」とでは、脚の描き方が違うことだ。
Fadhhh.jpg●左の「原画」では、
手前の左脚は膝の部分だが、
大腿部が異常に短いために
チラ見ではヒップに見える。
●右の「挿絵」では、
膝が向こう側の脚と同位置
にされ、膝裏部が太いため、
かなりヒップ見える。
いずれも意図的だろう。
本を4冊読み、ネットも調べたが、この違いに言及しているものはなかった。

(結)――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
お手上げと見るか、万歳と見るか。
洗濯女の白い太ももに見惚れて神通力を失い、墜落したのは久米くめの仙人である。
だが久米の仙人は、村人の役に立つべく、七日七夜の修行をして神通力を取り戻した。

イカロスは海面に墜落したとは考えず、陸地に凱旋したと見なした画家がいた。
世間の人々は人の失敗など気にしてないものだ、と考えた画家もいた。
あるいは、お手上げを万歳と見るか。脚の部分をヒップと見るか。
これらは人の意識によって違ってきそうだ。

たとえ人生で“お手上げ”状態になっても、早まって水に飛び込んで“脚上げ”状態になる
ことだけは避けたいものである―――と、一応こんなまとめにさせといてくださいな。

                   
┐(´Д`)┌
※1:イカロスはイカルス(ラテン語読み)とも表記されるが、イカロスに統一した。
※2:1996年の調査で、作者をブリューゲルとすることは極めて疑わしいとされるようになり、今ではオリジナルを無名の画家が早期に模写した良質な複製画と考えられている。1560年代の制作と思われるが、最近の研究では異説も出ている。Wikipedia
※3:錬金術的な解釈もされている。万物は4つの元素から成り、農地は「土」を、海は「水」を、青空は「空気」を、太陽は「火」を象徴しているといった具合に説明される。
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体操競技

バーソ様
おはよう御座います。

オリンピックの体操競技のようですね。
お手上げも足上げもあります。
足上げといえばシンクロナイズドスイミング
の方が一般的かとも思えますが。
それにしても羽根を蝋で接着するとは昔の
話にしても酷すぎますね。
せめてアロンアルファなら良かったのに。

愛新覚羅

2016/07/23(土) |URL|aishinkakura [edit]

Re: 体操競技

aishinkakuraさま コメントありがとうございます^^)
> 足上げといえばシンクロナイズドスイミング
の方が一般的かとも思えますが。

 やはりシンクロを思い出しますよね。私もその写真を入れようかと思ったのですが、そうすれば絵画の解説ではなくなり、私の“品位”に合わないのでやめました。(爆)

> せめてアロンアルファなら良かったのに。
 ははあ、ここは年代が出るところですね。イカルスの時代は蝋。江戸時代なら飯粒を練ったものやニカワ。昭和ならセメダインかボンド。私は2液混合のエポキシ系が好きですね。

2016/07/23(土) |URL|☆バーソ☆ [edit]

感性いろいろ

人生いろいろ……感性もい~ろいろですねぇ。
絵としてはブリューゲルですが、
想像力を駆り立てるのはシャガールですかねぇ。

お初の足は、シンクロ並みに両手で水を漕いでおかないと、
あり得ない高さですよねぇ。
挿絵は、脚を際立たせることで想像力を煽ったのでしょうか?

それにしてもイカルスの墜落を、風景の片隅においたブリューゲル…………。
意識的に配置したのか、彼の性格がそうさせたのか、
追跡できれば面白いですよねぇ。

シャガールが、モナリザを描いたら、
亡霊のイメージが浮かぶのはなぜでしょう? 
ただ単に、私の感性でしょうが……。((´∀`*))

2016/07/23(土) |URL|風子 [edit]

Re: 感性いろいろ

風子さん コメントありがとうございます^^)
> 絵としてはブリューゲルですが、
想像力を駆り立てるのはシャガールですかねぇ。

 シャガールという人は幼児の感性のまんま大人になって、そのまままになっている人ではないかと感じます。私が小学校低学年の頃に描いた絵がこんな感じで、デッサンとか構図よりも、思いついたことを何でも描き込むという感じでした。私の場合は、その頃だけでしたが。

> お初の足は、シンクロ並みに両手で水を漕いでおかないと、
あり得ない高さですよねぇ。
挿絵は、脚を際立たせることで想像力を煽ったのでしょうか?

 お初の足はたぶん水に落ちた瞬間じゃないでしょうか。泳げない人が水に落ちた場合でも、普通は頭から浮いてくると思うので。
 想像力とは、そうなんでしょうね。こういう足だけ見えているポーズは、全体像が見える場合よりも官能的です。戦前は道徳倫理が厳しかったので、こういう絵でも話題になったのではないでしょうか。
 ブリューゲルは錬金術にも関心があったようで、この絵に関してもそういう解釈がいろいろされているようです。大体、中世の絵画は宗教画が多く、なにかしらシンボリックな意味が含まれているようですね。

> シャガールが、モナリザを描いたら、
亡霊のイメージが浮かぶのはなぜでしょう? 
ただ単に、私の感性でしょうが……。((´∀`*))

 そうですか。だれの亡霊なんでしょう。私も、モナリザはちょっとミステリアスな雰囲気を感じます。モナリザの絵については、彼自身を描いたのだという解釈があって、ダヴィンチの自画像と比較した説明にはけっこう説得力がありました。

2016/07/23(土) |URL|☆バーソ☆ [edit]

イカルスは脱獄してきたから、
騒ぎにしないほうがいいよね~。
調子にのって失敗したから恥ずかしいし。

あ~あ、やっちまったなぁ。
ところで、昼は何を食おうかなぁ。

ブリューゲルの村人たちは、
見ないふりをしてくれる、
心優しい人たちです。

2016/07/23(土) |URL|青梗菜 [edit]

Re: タイトルなし

青梗菜さん コメントありがとうございます^^)
> イカルスは脱獄してきたから、
騒ぎにしないほうがいいよね~。
調子にのって失敗したから恥ずかしいし。

 なるほど。失敗とは恥ずかしいものだという思考がまず前面に出ましたね。

> ブリューゲルの村人たちは、
見ないふりをしてくれる、
心優しい人たちです。

 あはあ、またまたひとと違うことを言おうとしてる。
 それはいいですが、残念でした~。村人は心優しくはない可能性のほうが強そうですよ。
 その証拠に、羽の蝋が溶ける飛び方をしたのは失敗でしょうが、海に落ちたのは失敗以上の、致死的な大事件です。なのに村人は全然助けようとしてない。そして決定打は、羊飼いのそばの犬が知らん顔していることです。犬は敏感で、正直ですからね。つまりは人も動物も皆、イカルスの墜落に気が付いていないのです。
 しかし、あの距離ならイカルスは陸地まで泳げるはずだと見た可能性が無きにしも非ずなので、まあ、村人は心優しいのだとする解釈の正当性は完全否定されたとは言えないかもしれないですが。

> あ~あ、やっちまったなぁ。
ところで、昼は何を食おうかなぁ。

 え? これは自身の、あるいは最善の対処法ですかね。ま、失敗しても食欲があるのはいいと言うべきでしょう。私ならその日の昼飯も夕食も食べる気がなくなり、夜食をヤケ食いするでしょうね。

2016/07/23(土) |URL|☆バーソ☆ [edit]

こんにちは。

コメントありがとうございました。
御無沙汰しております。

人によって見方がずいぶん違いますね。
現世も同じで、良かれと思った行為も悪しきに思われたり。
いろんな見方、考え方があるからこそ、この世界も面白いのかも?

2016/07/23(土) |URL|S-masa [edit]

Re: こんにちは。

S-masaさん コメントありがとうございます^^)
 ご丁寧にありがとうございます。S-masaさんは本当に義理堅いおひとですね。(^^♪

> 人によって見方がずいぶん違いますね。
現世も同じで、良かれと思った行為も悪しきに思われたり。
いろんな見方、考え方があるからこそ、この世界も面白いのかも?

 あ、本当にそうですね。食べる物や音楽の好みと同じで、自分は嫌いでも、他のひとは好きな場合があるわけですから、思考や思想、嗜好、習慣、人種、宗教などが違っていても、許容する精神を持ちたいものだと思います。

 とかく真面目な、そして頭のいい人ほど自分が正しくて他者は間違っていると思うことがありますが、たとえそうであっても、誰かの迷惑にならない限り、他の人には他の人の自由があることをよく認識していたいものですね。
 そう思っていれば、世界から争いやテロなどは大幅に減るのでしょう。そして世界は自由があるからこそ面白いのでしょうね。なんだか真面目な感想になってしまいましたが。

2016/07/23(土) |URL|☆バーソ☆ [edit]

今回の記事は、まるで芸術新潮や美術手帳を読んでいる
みたいで楽しめました。お手上げ足上げ、お伝の考察も
鋭いですね。ブリューゲルの絵、たしかに異様ですね。
私、中野京子氏の「怖い絵」の大ファンなんですが、彼女も
その中で確か「イカロス」について書いていました。詳細は
記憶が不確かですが。本は必要な時は出てこないものなんです。
バーソさんご病気でしょうか?
いつものダジャレが少ないような気がします。(笑)

2016/07/23(土) |URL|エリアンダー [edit]

Re: タイトルなし

エリアンダーさん コメントありがとうございます^^)
> 今回の記事は、まるで芸術新潮や美術手帳を読んでいる
みたいで楽しめました。

 あ、ありがとうございます。エリアンダーさんに芸術関係の記事で褒めていただくと、ほっと安心します。

> お手上げ足上げ、お伝の考察も鋭いですね。
ブリューゲルの絵、たしかに異様ですね。

 ありがとうございます。それにしてもエリアンダーさんは要点を簡潔にまとめるのがお上手で、いつも感心します。プレゼンの書類や調査報告などを作るのに慣れているのか、あるいは本を読みなれているのでしょう。いや、頭のゆえですか。失礼しました。(笑)

> 私、中野京子氏の「怖い絵」の大ファンなんですが、彼女も
その中で確か「イカロス」について書いていました。

 さすがにいろんな本を読んでますね。はい、じつはそれも確認してあります。こんな内容でした。
「当時、16世紀のフランドルはスペインのハプスブルグ家の圧政により、独立運動家たちは処刑されていた。この絵では、ハプスブルグ家は太陽。イカロスはそれに挑戦した反抗者。人々は自分に被害が及ぶのを恐れ、見て見ぬふりをした」という解釈です。
 フランドルに表記を改めました。ありがとうございます。駄洒落は今度、ほぼ間違いなく入れます。はい。

2016/07/23(土) |URL|☆バーソ☆ [edit]

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2016/07/24(日) || [edit]

この空を飛べたら

天は神の聖域にして侵されざる場所なり
汝近付くなかれ
禁を破りし者の末路は悲劇のみ
バベルの塔しかり
イカロスの翼しかり
そこに何が在るか知らずともよい
何がなされるか知る必要は無い
ただ見上げ敬うがよい
望まねば幸福は手に在る
望めばただ去り行くものなり

 足るを知る。
 うーむ。人は手に入れるとそれが当然になってしまう。慣れって奴ですな。どんなに恋焦がれた物でも手に入ってしまうと案外粗末にするもの。ほれ、昔の恋ニョーボ、随分な扱いしてませんか?ゑ゛?賞味期限切れた?畳となんとか?そう言わんと。向うに言わせればこっちも消費期限切れして久しかろ(笑)
 欲している内が幸せですよ。何でもあると感動が無いんでしょうね。一人っ子の姪の可愛げの無い事。ケーキあげてもお菓子あげてもフンてな感じで猫跨ぎ。わたくしなんか何も持ってないから何貰っても嬉しいものですがなぁ。あ、その前にくれる人いなかったorz。コメントくださる皆様、ありがたやありがたや。
 イカロスさんとお初さん見てたら犬神佐清(スケキヨ)思い出しました。あれってもしかして地獄に手を振ってる姿なんでしょうかねぇ。そっくし。
 おっと脱線。

空に憧れ空に向かって手を伸ばし
しかし決して届かず 為に憧れる
鳥になろうとして翼を広げ
会えぬ者に会おうとする
嗚呼人の悲しさ
純粋な程に水底(みなそこ)は深く空は遠い

そう言えば以前こんなの書きましたっけ
PR(笑http://misskey4.blog.fc2.com/blog-entry-35.html

2016/07/24(日) |URL|miss.key [edit]

Re: タイトルなし

sさん コメントありがとうございます^^)
 絵的にはシャガールが好きですか。私もそうですね。絵が幼児みたいに自由奔放で、色彩がにごってなくて、はっきりした原色が多い。
 それでいて構図もすごい。陸地が赤くk手、地平線が斜めになっているところなんか、おそろしいほどの迫力があります。
 空の描き方も、筆ムラがあって、黄土色は煙かもしれませんが、青、黒と、色も好き勝手で、太陽の描き方も時計のような、人の顔のような、これもまた常識はずれで、すごいです。

 雪岱はエロティシズムでありながら、清冽な流れが美しく、そのコントラストがいいですか。確かにそうですね。黒の中の白い脚。このコントラストが鮮烈ですね。こんな日本画はちょっとないですよね。

 そして「八つ墓村」のワンシーンを思い出しましたか。やはりね。この画像もおまけに入れようかとちょっと迷ったのですが、これはコメントで書いてくる人がいるだろうから、そこで触れようと思って、やめたのです。いつもありがとうございますね。

2016/07/24(日) |URL|☆バーソ☆ [edit]

Re: この空を飛べたら

miss.keyさん コメントありがとうございます^^)
> 天は神の聖域にして侵されざる場所なり
汝近付くなかれ
禁を破りし者の末路は悲劇のみ
バベルの塔しかり
イカロスの翼しかり

 おおーっ、むむーッ。これぞ、miss.keyさんの真骨頂。物語作家ならではの名文ですね。ほんと、感動しました。こうなると私なんか、お手上げどころか、手も足も出ません。バベルの塔が出てくるところなんか、好きだなあ。そういえばブリューゲルの「バベルの塔」も有名でした。

> 望まねば幸福は手に在る
望めばただ去り行くものなり

 うーむ、これもまた真理を突いている。幸福とは手に在るもの。望むものではない。もうすでに在ると思えば瞬時に在る。そういうことですね~。

> 犬神佐清(スケキヨ)思い出しました。あれってもしかして地獄に手を振ってる姿なんでしょうかねぇ。そっくし。
 なるほど。地獄に手を振っている。そうかもしれません。多分、あの映画のポスターは、小村雪岱の絵からインスピレーションを得たのでしょう。でも雪岱のほうがだいぶ気品と清潔感がありますね。

> 空に憧れ空に向かって手を伸ばし
しかし決して届かず 為に憧れる
鳥になろうとして翼を広げ
会えぬ者に会おうとする
嗚呼人の悲しさ
純粋な程に水底(みなそこ)は深く空は遠い

 うーん、これもまた名文。私ならこういう文章は書こうと思うだけでもう四苦八苦しますが、miss.keyさんはスラスラスラーと言葉が出てくるのでしょうね。いいなあ。

2016/07/24(日) |URL|☆バーソ☆ [edit]

う~ん、やはり、堕ちた天使に重ねてしまうなあw

シャガールは昇天の図にしか見えないです♪

ブリューゲルの絵。
錬金術としては
入浴や溺死、海に入ることなどは浄化や解体を表す。
やがて、人格の変成が訪れる。その初期段階を表します。同時に投獄や幽閉など密閉された空間もその初期段階の象徴となっています。イカロスにぴったりw
畑を耕しているところは、錬金術文書『輝く太陽』にある言葉を思い出します。
『我は汝を殺した。汝が有り余る生命を受けるように。死体は埋めよう。やがて腐敗し、そこから芽を出し、多くの実をつけるように』
これは新約からですねw
人格変成には、孤独が必要だとも言われています。誰もイカロスに気付いてはいけないのです。
これだけでも、イカロスの人格変成を象徴しているように思えますw
延いては、ルシフェルの変成さえ夢想しました♪

錬金術における人格変成の初期段階は、精神分裂病によく似ているそうです。古くなり、疲れ、腐りかけた人格は若返りを求めているのです♪ そのためには、まず象徴的に死ななくてはならないw
孤独、不安、絶望。そのようなものは、新しく生まれ変わるために必須のものであるとされています♪ 壊れる。これは再生を意味するのです♪

お初…これは、軽みがありますね♪
デザインとして見てしまう。殺された悲愴感は皆無。故に、あらあら、まあまあ、夜鷹らしくあられもない…といった感想になりますw

2016/07/24(日) |URL|小奈鳩ユウ [edit]

Re: タイトルなし

小奈鳩ユウさん コメントありがとうございます^^)
> う~ん、やはり、堕ちた天使に重ねてしまうなあw
シャガールは昇天の図にしか見えないです♪

 ああ、なるほど。そう見えなくもないですね。言われて見ると、特に腰のあたりが天から見えない糸で引っ張られているようです。その場合には、手は万歳ではなく、地上の人々にバイバイをしてるのですね。

 ブリューゲルの絵の錬金術的解釈。そうなんですか。水に浸かるバプテスマ。一度死んで生まれ変わる再生あるいは新生。一粒の麦が死なば多くの実を結ぶ。キリスト教の教えに似てますね。人格変成には孤独が必要なんですか。古代エジプトのイニシエーションとして、そんな人のために特別の場所があったと読んだことがあります。

> 孤独、不安、絶望。そのようなものは、新しく生まれ変わるために必須のものであるとされています
 そうですか。新しく生まれたいという願望は、そもそも精神的にネガティブなものがあるからこそ、それを変革したいという欲求が生じるのでしょうか。
 ただ昨今の目立った現象として、さほどスピリチュアルなことに関心がなく、特に孤独でもない人が、突然目覚めて悟りを得るなんてことが急激に増えているようで、従来のように特別に厳しい修行を長年続けることが必ずしも必須ではなくなったようであることが面白いと思います。世界的に変革が近づいているのだという話がありますが、デジタル時代になっても世の中には摩訶不思議なことがありますね。

 錬金術は、上にあるものは下にもあるとして量子論や精神世界に当てはめると、なかなか面白いものがあります。『フラワー・オブ・ライフ』とか『ハトフルの書』『マカバ瞑想』といった本を読んだことがあり、その種の瞑想のCDも買ったことがあります。密教や神道の秘儀と同様に、それが出来る人には実際に強力に効果があるようですが、でも理性的には怪しげな感がちょっと拭えないのは、私が俗物のせいかもしれません。(^-^;

> お初…これは、軽みがありますね♪
デザインとして見てしまう。

 あ、そうです。いつかブログに書こうかと思っているのですが、私も雪岱の絵はデザイン画として見てしまいます。

2016/07/24(日) |URL|☆バーソ☆ [edit]

絵をみるのは、好きなのですが
こんなふうな観かたをしたことがありません。
とても興味深いです。

そして三人の画家、みんな私は好きなのです。

シャガールのは、こういう空中に浮いている姿が多いですね。
それがとっても不思議でした。


ブリューゲルのこの絵、とってもとっても面白い。
みんな、我関せずというのが興味深い。

小村雪岱のも珍しいですね。
一般的なものしか知りませんでした。

バーソさん、いつもながらマルチな才能が
豊かですね。

2016/07/26(火) |URL|森須もりん [edit]

Re: タイトルなし

森須もりんさん コメントありがとうございます^^)
> 絵をみるのは、好きなのですが
こんなふうな観かたをしたことがありません。

 シャガールとブリューゲルの絵はギリシア神話を元にして描いているので、普通に写実的に描いたら面白くないということが多分あるのではないでしょうか。それに中世の絵には、案外シンボリックな約束事があり、絵の中の事象に何らかの意味付けをすることが伝統的にされてきたということもありそうです。

> シャガールのは、こういう空中に浮いている姿が多いですね。
 確かにそうですね。空中に人間や動物がふわふわ浮いていて、意識が浮遊している感覚があります。気分がいいのか、自由な精神があるのか、それを示したいのか、生きているのか死んでいるのか、夢の中の光景か、想像の世界なのか。私は子供の心があると感じているのですが、どうなんでしょうね。

> ブリューゲルのこの絵、とってもとっても面白い。
みんな、我関せずというのが興味深い。

 ブリューゲルは当時の社会を描いたようですが、“われ関せず”は、いい意味で自分に当てはめて考えてもいいかもしれませんね。

> 小村雪岱のも珍しいですね。
一般的なものしか知りませんでした。

 私、フランスの印象派が好きなんですが、でもルノアールとかセザンヌなんかより小村雪岱のほうが好きですね。構図の発想がすごいと思います。北斎や広重もそうですが、日本人の絵は構図が非常にうまいと思いますね。
 マルチな才能ですか。あらら、おほめいただき光栄です。

2016/07/26(火) |URL|☆バーソ☆ [edit]

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