「バーソは自由に」

考え方はいろいろあるから面白い。

 府中市美術館『江戸絵画の19世紀』の宣伝コピー。 

春、武蔵野の桜を愛で、江戸の絵を賞で。
のどかな日差しと春のそよ風に誘われて、府中の森まで行ってきました。
今はトレンド真っ盛りの桜と、ついでに江戸の絵を観るためです。

府中市桜 458
(クリック拡大)

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府中市美術館 企画展『江戸絵画の19世紀』(5月6日まで)
江戸後期の絵画は、西洋の遠近法や陰影法を取り入れており、
創意、技巧、構図美が冴え渡っていました。
うれしいことに、観たかった絵2枚にもお目見えできました。

北斎「富嶽三十六景・神奈川沖浪裏」
私が、古今東西の頂点と信じている絵。
(右はドビュッシーの交響詩「海」のスコア表紙)
神奈川沖浪裏

広重「名所江戸百景・亀戸梅屋舗」
ゴッホが模写した世界一有名な梅の木。
(黒い木を茶色にしているのが目立つ違い)
梅屋敷1
                  
「浮世絵」の構図には、一分のスキもない、張り詰めた緊張感がありますね。
ゴッホの模写を本家と比べると、同じ構図なのに受ける印象は全然違います。

常設展の一般油絵も観たせいか、印象派の風景画は、色はきれいでも、
江戸の名所絵の持つ独創性、端正さ、緊張感には
遠く及んでいないと感じましたね。
(惜しむらくは版画絵の小ささ。 もっと大きければ、迫力が格段に違ったはず)

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外と内が調和していて、気持ちがやすまる府中市美術館。
建物は公園との一体化を狙い、光と緑との視覚的連続性が図られていると。

☆府中市桜 049

美術展のポスターたちが皆、ねえねえ、私を見て見て、と語りかけてきました。

壁面のポスターはキャッチフレーズも気が利いていて、そそられます。

a府中市桜 090



(下左) プライベート・ユートピア ここだけの場所
「ブリティッシュ・カウンシルにみる英国美術の現在」伊丹市立美術館
(剥製のワンコが持っているプラカードの「私、死んでます」が愉快です)

(下右) 香川の春は、鮭二本
「日本近代洋画への道」香川県立ミュージアム
(このキャッチフレーズが気に入ったので、今回 書く気になりました)

府中市桜 118



(下左) 永遠の永遠の永遠
「草間彌生」熊本市現代美術館
(名前の装飾文字が見事。お顔が樹木希林さんそっくり。85歳!)

(下右) 映画を超えてもいいですか
「チェコの映画ポスター」京都国立近代美術館
(映画好きにアピールしそうなコピー。こちらの美女は顔を隠してます)

府中市桜 125


(下左) ちょっとパリまで、ず~っとパリで
「渡欧日本人画家たちの逸品」泉屋博古館分館
( 「少し愛して、なが~く愛して」のCMを思い出します。色づかいがパリふう)
(下右) 国宝“風神雷神”5年ぶりに参上
「栄西と建仁寺」東京国立博物館)
( 「5年ぶりに参上」は、「五年ぶり、参上。」にしたらどうかな?と考え中)

府中市桜 1382毎合成

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桜は匂へど、散りぬるを。 歳歳年年、人同じからず。
北斎が晩年、自らの創作意欲について書き残しています。

己 六才より物の形状を写の癖ありて
半百の此より数々画図を顕すといえども
七十年前 画く所は実に取るに足るものなし
七十三才にして稍(やや)禽獣虫魚の骨格草木の出生を悟し得たり
故に
八十六才にしては益々進み
九十才にして猶(なお)其(その)奥意を極め
一百歳にして正に神妙ならんか
百有十歳にしては一点一格にして生るがごとくならん
願わくは長寿の君子 予言の妄ならざるを見たまふべし


ff府中市桜 413
(クリック拡大)
(意味・Wikipediaより
私は6歳より
物の形状を写し取る癖があり、
50歳頃から数々の図画を表したとはいえ、
70歳までに描いたものは本当に取るに足らぬものばかりである。
73歳になり、様々な生き物や草木の生まれと造りを 幾らかは知ることができた。
ゆえに、
86歳になれば、ますます腕は
上に達し、90歳ともなると奥義を極め、
100歳に至っては正に神妙の域に達するであろうか。
100歳を超えて描く一点は 一つの命を得たかのように生きたものとなろう。
長寿の神には、私の言葉が世迷い言などではないことを ご覧願いたいものだ。




やはり世の常、私バーソも最近は、体力、記憶力が否応なく落ちてきています。
ですが、本質の気持ちそのものは、少年の頃からほとんど変わっておらず、
かえって、感覚、感情は敏感になってきている---のですが、
何の才もないのが、エエ、無念、口惜しいわやい
(と、仮名手本忠臣蔵で終わります)


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またまた遊んでいますね

バーソ様
おはよう御座います。

芸術にはうといのですが北斎は歴史もののテレビ番組にもよく登場します
ので作品も知っているものが多いです。海外に影響を与えたことも含めて。
私でも解かるのは迫力です。どの作品も迫力があります。
Wikipediaの個所はまた文字並べで遊んでいらっしゃいますね。
でも読みやすくて関心しました。

愛新覚羅

2014/04/05(土) |URL|aishinkakuraaira [edit]

おはようございます~
一昨日は、お天気が良かったので20キロほどお花見JOGしてきました♪
いつも私はiPodでBGMを聴きながら走るのですが、
桜と西洋のクラシック音楽って本当に合うのですよね~

浮世絵と、ドビュッシーも見事に合うわぁ~~
以前、ブログ記事の中でも紹介したのですが、
このYouTube...(もぉバーソさんは御存知と思いますけど)
URL貼り付けさせて頂きまーす^^
https://www.youtube.com/watch?v=LBtIxY36ezY

晩年の北斎の言葉、、、
「・・・七十三才にして稍(やや)禽獣虫魚の骨格草木の出生を悟し得たり・・・」

この「稍(やや)」という言葉に感じ入ります~
未だ発展中の70代・・・私も将来かくありたいなぁーーー

2014/04/05(土) |URL|レイまま☆ [edit]

インフルエンザにかかったあとは家でおとなしくしていたのですが
昨日はじめて外に行きました
と言っても、近所ですけどね
それでも、ソメイヨシノや枝垂れ桜の並木が何箇所かあり
目を楽しませてきましたよ
もうすぐこのトレンドに乗り遅れるところでした(^^)
健康はいいものです

自分は何歳まで生きられるかなあ
ジムに行って体を鍛えてはいるのですが
たしかに・・どんな才能があるか・・ですね^^;
今からでも遅咲きで、なにか開花してくれないかなあ

2014/04/05(土) |URL|ジェイジェイ [edit]

aishinkakuraさん ありがとうございます^^)

北斎は、私、じつは世界最高の画家だと思っているんです。
あの構図の発想と緊張感と美しさには、誰もかなわないんじゃないでしょうか。
北斎に油絵の具を使わせたら一体どんな絵が出来ただろうか、と思います。

その北斎ですら、自分にはまだまだ進歩の余地があると思っていたのですから、
この精神態度を見習うために、ちょっと爪の垢でも貰いたいものだと思います。
Wikipediaの箇所。文章全体をセンター揃えにして、多少気を遣ったのですが、
よくぞ気づいてくださいました。(*^^)v

2014/04/05(土) |URL|☆バーソ☆ [edit]

レイまま☆ さん ありがとうございます^^)

おやまあ、「20キロほどお花見JOG」ですか。
花見というより、もう、ハーフマラソンですね。私には真似できません。
聞いただけで、私、はーはーはーはーと息苦しくなってきましたよ。(*_*;

ドビュッシー「ベルガマスク組曲/前奏曲」 。いい動画です。
熱いコーヒーを飲みながら、名画を観ながら、名曲を聴きましたよ。
レイまま☆さんは、精神・肉体とも、いい趣味ですね。

>「稍(やや)」という言葉に感じ入ります
はい、私も同じところに感じました。
あれほどのレベルに達した画家でも、「やや」と思ってるとは、凄いですね。
私も幾つになっても、ずうーっと「発展中」でありたいと思いますが、その語の前に
「未だまだまだ」の語がずうーっと付いてまわりそうです。(^^♪

2014/04/05(土) |URL|☆バーソ☆ [edit]

ジェイジェイさん ありがとうございます^^)

トレンドにしっかり乗れましたか。それはそれは、ご同慶の至りです。
ジムに通ってるんですか。ブログのプロフィール画像のせいか、色白の優しい人に
思えますが、ひょっとすると筋肉リュウリュウタイプなんでしょうかね。

>今からでも遅咲きで、なにか開花してくれないかなあ
ほんと、私もそう思います。そう思っているということが大事ですよね。
思っていると、そのうち、何かで、必ず芽が出るような気がしますね。
モーセは40歳まで王宮で裕福な生活をし、そのあと40年間も厳しい遊牧民の暮らしを
経験して、80歳のときにやっと自分のしたいことができるようになりました。
それまでの長い人生は彼にとっては全然無駄ではなかったわけで、
そう考えると「遅咲き」するのもまた意味があるのでしょうね。(^ム^)

2014/04/05(土) |URL|☆バーソ☆ [edit]

こんばんは

ジャポニズム、パリの万国博覧会から日本の物産が注目を
浴びるようになったんですね。確か日本の物産を無造作に
包んだ包装紙の浮世絵が驚きだったとか。北斎がずっと
進歩して遠近法を会得し、油絵具を使い・・・西洋の画風に
なる・・ってことはないですよね。(笑)
キャッチコピーの数々も見事だし、バーソさんの解説も軽妙洒脱で
とてもいいですね。いつだったか、運輸会社の、あるコピーが評判になり
クルマ、化粧品、選挙ポスター・・・でも次々と使われました。
今ではすっかり陳腐化しましたが、最近、本屋のトイレの張り紙で見ました。
「一歩前へ」

2014/04/05(土) |URL|エリアンダー [edit]

浮世絵
やっぱり世界一かな!

2014/04/06(日) |URL|baba [edit]

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2014/04/06(日) || [edit]

エリアンダーさん ありがとうございます^^)

軽佻浮薄と言わず、軽妙洒脱などと過大に褒めていただき、元気が出ます。
浮世絵が包装紙に使われていた。ほう そうですか、と言いたくなりますが、
日本と西洋とでは、ヴァイオリンと三味線の音色の違い、あるいは長調と短調の違いと言ったほうがいいでしょうか、嗜好や感じ方など文化がまるで違いますね。
もし日本が西欧に近い所にあり、日本人が西欧と同じ土壌に暮らしていたなら、日本人の絵画や音楽、建物、庭園、衣装などはどんなふうになっただろう、とよく思います。

「一歩、前へ」のコピーをトイレで見かけた。
お、この落とし込み、うまい! いつも思うのですが、文章構成がお上手ですね。
で、このコピーが流行った理由ですが、
「幸せは歩いてこない」だから「三歩進んで二歩さがる」のでしょうかね(笑)。

2014/04/06(日) |URL|☆バーソ☆ [edit]

Lady-babaさん ありがとうございます^^)

Lady-babaさん ありがとうございます^^)
おっ、そうですか。babaさんも、浮世絵が世界一ですか。
日本画より西洋の油彩画のほうがお好きだと思ってましたが。
言われてみると、以前4枚ぐらい連続した、ワンコのイラストがありましたね。
ワンコの全身を出さないで、体の一部だけを画面内に出している。
あの絵の構図、浮世絵に似てないですか。

絵は素人ですが、構図力はやはり日本人のほうが優れているように思います。
日本人のバランス感覚がいいのか。あるいは、意外に発想力があるのでしょうかね。

2014/04/06(日) |URL|☆バーソ☆ [edit]

鍵コメさん ありがとうございます^^)

鍵コメさん、ありがとうございます^^)
まあ、なんという有難いお言葉。
「ベタベタ」なんて。私、一度でいいから、そうされてみたいと思ってたんですよ(笑)。
ご意見・感想など、これからもどんどんますますいよいよさらにお願いしますねーー。

2014/04/06(日) |URL|☆バーソ☆ [edit]

ゴッホの浮世絵の模写、全然いいとは言えないけど、ゴッホの絵は大好きなのですよ〜。もちろん浮世絵は一番好きで、よく参考にしてますよ。やっぱり木版画が大好きだな〜。もし江戸時代に生まれてたら、版元でバイトさせてもらいたいくらい。今でも、ちゃんと木版画やってる人がいたら、絶対おうえんしちゃう。府中美術館は一度もいったことがないのですよ、遠くて。近くでやってくれないかな。もう、最近はフットワークが悪くて。川瀬巴水の版画は見たけど、やはり木版画はよいですね。北斎も実物、よかったですか?
そういえば、香川のポスターの二本近代洋画への道、って、バーソさんのしゃれですよねっ?気がついちゃいましたよ!

2014/04/07(月) |URL|abe [edit]

abeさん ありがとうございます^^)

あの模写はだめ。さすがのゴッホも広重の境地に全然届いてないですね。
黒い木を茶色にしたのは、常識から外れることができないのかなあ、と思いましたよ。
歌の場合、カバー曲を聴くと、本家よりうまい歌手がいますが、
浮世絵は構図で決めてるので、同じ構図なら誰が描いても本家に敵わないのでしょう。
まれさんはゴッホが好きで、でも一番好きなのはルノアールでしたか。
明るい鮮やかな色に惹かれるんでしょうかね。私もきれいな色のほうが好きです。

浮世絵をよく参考にしてる。 やはり、そうなんですか。
そう言われてすぐ思い出すのは、あの着物姿の美人画シリーズ。
構図がビシッと決まっていて、色っぽい端正な美しさを感じます。

北斎のあの絵。写真で見慣れていたのと刷り物のせいか、実物のほうが良い
ということはなかったですね。肉筆画ならまた印象が違ったのでしょうが。
でも見たかった絵に初めて会えて、ちょっと感激しました。

「二本近代洋画」。あららー、美術館名のところは全く校正してなかったです。
駄洒落では無いです。即、速、修正しました。ありがとうございます。(^<^)

2014/04/07(月) |URL|☆バーソ☆ [edit]

「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです」

おはようございます。
映画のキャッチコピーもいいのがありますね。
ヘタすると映画より良かったりして。
キャッチコピーに釣られて映画館に足を運び、何度失望したことか。(笑)
私の好きなキャッチコピーです。
映画のタイトル、分かります?

「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです」
「永遠の四日間」
「永遠に続く、たった一日の恋」

(答)魔女の宅急便
   マディソン郡の橋
   ローマの休日

2014/04/10(木) |URL|エリアンダー [edit]

エリアンダーさん またまた ありがとうございます^^)

映画の宣伝コピーって、うまいもんですねー。
この映画のタイトル、映画は3つとも観ましたが、
キャッチコピーは全然思い出せないというか、
初めて見たような気がします(ああ、情けなし)。

最近の映画は原題をそのままカタカナで表記するのが
多いようですが、以前は邦題に変えていて、それがけっこう
よかったですね。『慕情』とか『旅情』とか(ああ、古い)。

原題は「先手」を意味する“First Blood”は、
向こうの映画も邦題に倣って“RAMBO”に変わったとか。
でも英語だと「乱暴」の語感がなくなるのですが、
それを知っていて変えたのでしょうかね。
それを考えると、夜もねむ・・・(あ、また同じことを)

2014/04/10(木) |URL|☆バーソ☆ [edit]


江戸絵画も、美術館のポスターも、
もちろん見事だし、素晴しいのですが・・・
本記事で僕がもっとも興味をひかれて止まないのは、
なんたってバーソさんの撮られた桜の写真たちです♪
今回こそ、XZ-2ですよね!?
クリック拡大で、ガッツリ堪能いたしました♪

終盤のテキスト(ピンクの点をも活かした)の揃え方にも通じる、
“構図”というより、むしろ“配置”といったほうがよいくらいに、
要素の持ち場がキリッと割り当てられているような感覚が伝わり・・・
ま、端的にいえば、キマってるぅぅ〜〜!ってコトなんですが(笑)
だけど、それをサラリとみせちゃうところが、また粋だなぁ・・・と。
やっぱり写真て、“人となり”が如実に現れるモンなんですよね〜 (^^)

X10の頃からアートフィルター系を多用されるのは、
一種の照れ隠し(あるいは、能ある鷹のツメ隠し(笑))、
・・・なのでしょうか。 それもまたキマってますが♪

2014/04/10(木) |URL|G.D.M.T. [edit]

G.D.M.T.さん ありがとうございます^^)

>“構図”というより、むしろ“配置”といったほうがよいくらい
>サラリとみせちゃうところが、また粋だなぁ
まあまあ、なんという有難いお言葉。プロのデザイナーからそう言われると、
こそばゆいやら、どこかに穴を探したいやら、もっと言ってほしいやら。あはは・・・
ちゃんと「ピンクの点」まで指摘していただいて、うれしいですね。 (^^♪
いつもいつも気を遣っていただいて、すみませんね。

アートフィルターを多用するのは、私の腕ではつまらない写真になるからですよ。
仮に非常にうまく撮れたとしても、せいぜい観光絵葉書にしかなりません。
絵画も、写実派より発想が自由で色彩がきれいな印象派のほうがずっと好きなので、
簡単手軽に雰囲気を変えられるアートフィルターを使っているわけです。

できればG.D.M.T.さんに「コツ」「ノウハウ」を教えていただきたいものだなあ
とよく思いますが、でもこういうことは、技巧の上手下手というより、
やはり感性や感覚や視点が第一。なかなか簡単にはマスターできないでしょうね。

XZ-2は、「ブラケット機能」で各種アートフィルターがワンシャッターで撮れます。
何十枚か撮ったなと思う程度でも、500枚以上撮影されていて驚いています。

2014/04/11(金) |URL|☆バーソ☆ [edit]

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