「バーソは自由に」

考え方はいろいろあるから面白い。

 配偶者以外のひとを好きになったら? 

私が小5のとき、母親が生活能力ゼロの男と再婚し、極貧となった話は以前書きました。
男の名は、ひろしです。ああ、ずいぶん久しぶりに思い出したとです。(笑)
                
当時、母親は30半ばだったが、ひろしはもう60近くで、定職なし、宿なし、の風来坊。
顔は、ジェームズ・ステュアート1割に高田純次5割を混ぜたような、一見ダテ男風。
医家の次男坊で、話が面白く、口達者。男を信じた母親は邦文タイプの仕事を辞めた。

ひろしは酒はジンが好きで、よく浅草オペラ歌手のように声を張り上げて歌っていた。
得意の歌は、“おーおー 明治~”の『明大校歌』と、歌劇『リゴレット』の「女心の歌」。

1rigoret.jpg 出典
歌(YouTube)→ 藤原義江ルチアーノ・パヴァロッティエンリコ・カルーソー

『女心の歌』 ヴェルディ(作曲) 堀内敬三(訳詞)
 風の中の羽のように いつも変わる女心 
 涙こぼし 笑顔つくり うそをついて だますばかり
 風の中の 羽のように 女心かわるよ ああ 変わるよ


YouTubeの朗々と歌い上げる稀代のテノールを聴きながら、
笑顔ありし再婚家庭は涙こぼすドン底の窮乏生活に、ああ、変わるよ、の話をどーぞ。

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費用を計算せずに塔を建てようとしても、完成できない。※1

ひろしは定職を持つ気がなく、一獲千金の儲け話は嘘ばかりで、収入はほとんどゼロ。
しかし男心と女心は変わることなく、当初は若者同士の恋愛のように楽しそうだった。

だが食べるものがない日が続くようになり、ひろしは荒れて母親の髪の毛を引きずり
回すようになり、欠食児童で長欠児童の私と弟は、それを見てワーワー泣くばかり。

ある日、警官が来た。ひろしはその前から行方知れずで、母親が、面会に行ってくる
と言った。とうとう悪事に手を染めたのだ。母親もさすがに見限って、ようやく離婚。
必死に働き始め、やがてまた邦文タイプ業を始め、やっと奈落の底から這い上がった。
    
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Toulouse-Lautrec

母親にとっては二度目で最後の恋愛だったので、かなりの無念があったかもしれない。
母親は男選びが下手だったが、今より生活が困難な時代に精一杯生きた。
私は子供として悪夢のようなひどい体験をしたが、恨んではいない。

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愛は、生きている限り、その対象を一人だけに絞るべきか。

●聖書は、離婚を認めていない。
※2
イエスは、神聖な結婚の取り決めを破るなと言っている。(マタイ福音書19:5,6)
 「それゆえ、人は父母を離れてその妻と結ばれ、 二人は一体となる。
 だから、二人はもはや別々ではなく、一体である。
 従って、神が結び合わせてくださったものを、人は離してはならない」

問題は「心は偽るもの」※3。他の人を好きになったり、好かれることはあり得る。
それは不倫と言われ、遊びでも真剣でも、世間から袋叩きにされる。

ところで、そもそも結婚とは恋愛の究極の表現か、と考えたことはないだろうか。

●通常の倫理観とは違うが、結婚をこう考えるひともいる。
①あなたが愛してくれれば、こちらも愛しましょうという約束は商取引と同じだ。
②愛は制約でも保証でもない。愛の対象を一人に限定するのは、“自然 ”に反する。
③愛が冷えているのに、無理やり約束を守らせる人生は互いに幸せではないはず。
いずれにせよ、
④他の人を好きになり、どうしょうもなくなったら、配偶者に真実を告げるべき。
⑤どんな決意するにしても「自分が愛なら何をするだろうか」と自問するのがいい。
⑥人生とは義務ではなく新しい体験の創造である。努力をした人生に失敗はない。

こんなことを書くと、フリーセックスの推奨かと思われるかもしれない。
そうではない。私は今まで妻以外の女性を知らず、離婚するつもりもない。
世間の常識や定番の倫理観を無意識に自動受容してないか、考えてみたいだけだ。

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Toulouse-Lautrec

正邪・是非の判断が難しい場合は、“うまくいくかどうか ”を考えてみればいい。
離婚するにしても、許すにしても、関係者みながベターになるようにしたいものです※4

(以上は、聖書には非常にいい言葉があるが、不合理な教えもあるという話でもあります)


いい話も笑話も山ほどある、友人のエリアンダーさんのブログ『夏への扉』より。
『再婚』
1947年当時、ミルトン・バールはもっとも名のあるコメディアンだった。
しかし有名になるにつれ、妻のジョイスとうまく行かなくなり、離婚となった。
離婚して2年後、バールとジョイスは2度目の結婚をした。
「何でまた同じ女性と結婚を?」と聞かれたバールは答えた。
「彼女は別れた妻を思い出させるんだ」


補―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
※1:「あなたがたのうち、塔を建てようとするとき、造り上げるのに十分な費用があるか
どうか、まず腰をすえて計算しない者がいるだろうか。そうしないと、土台を築いただけ
で完成できず、見ていた人々は皆あざけって、『あの人は建て始めたが、完成することは
できなかった』と言うだろう」 (ルカ14:28-30新共同訳)
※2:「不品行のゆえでなくて、自分の妻を出して他の女をめとる者は姦淫を行うのである」
 (マタイ19:9口語訳) 離婚は配偶者が姦淫を犯した場合のみ。ただし許すこともできる。
※3:「心はよろずの物よりも偽るもので・・・だれがこれを、よく知ることができようか」
 (エレミヤ記17:9口語訳) 人の心(エゴ)は変わりやすく、あてにならないと解釈できる。
※4:結婚したら「養育責任保険」を義務付け、収入に応じた金額(夫が多め)を源泉徴収し、
それに国が補助した養育費を、元妻と子供に支給するのはどうか。車の自賠償保険と同じ。
結婚への意欲が減じないよう、保育費、教育費などは最初から国が全負担するようにする。
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 擬声語オノマトペを、詩人が、漫画家が、作家がうまく使っている。 

(ジョーク)
診察室で、医者が患者に訊ねた。
「で、症状はどんな具合ですか?」
「はい、先生、目がボオーッとして、頭がキーッとなって、てっぺんがジンジンして、
さらに頭のこっち側、レフトがですね、ズッキンズッキンと永久不滅に痛むんです」
「あのねえ、長嶋さんじゃないんだから、ボオーッ、キーッとか、ジンジンなんて、
そんなオノマトペを、いや、擬声語を使わないで説明できませんか」
「はい、ええと・・うーん・・う~む・・ああ~、先生、頭がガンガンしてきました」

普通の言葉とは比べ物にならないほどの情報量を持っているオノマトペ。※1
医者はこれにより、群発頭痛・片頭痛・緊張性頭痛などの病名が分かるそうですよ。

tran1p.jpg 出典
(英国と米国も閉鎖的になれば世界が頭痛になるかも?)

オノマトペは、物体が発する音や、何かの状態、感情を字句で表現したものですが、
日本人は工夫の名人ですね、いろんな擬声語・擬音語・擬態語を考え出しています。

 涙はストレス解消にいい。賢治ふうの「雨ニモ…風ニモ…」。 

は、笑いよりストレス解消にいいそうですよ。

●笑いは、NK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させ、免疫力を高めて元気や活力を増加。
●涙は、モルヒネ様物質として知られるエンドルフィンを増加させ、緊張や不安を減少。

●生理的には、笑うより泣くほうがストレスが解消されるという研究結果がある。(※1)
●女性の85%と男性の73%が「泣いたあと気分がよくなる」と答えている。(※2)

●アリストテレスは『詩学』で、「悲劇にはカタルシス、すなわち観客の心に怖れ(ポボス)
 と憐れみ(エレオス)の感情を呼び起こし、精神を浄化する効果がある」と書いている。

涙を流すことは感情的にも自然であり、精神面の健康にもいいようですね。

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(1930年代のアメリカの雑誌「VANITY FAIR」の表紙を借用)
宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ 風ニモ負ケズ」をもじった・・・・戯れ詩・第3弾を作りました。
大辞林にある「涙」の付く言葉を33個使用した涙の “もじりあーに・ぽえーむ”です。

 川端康成『雪国』の“国境”の読みと英訳の違い。 

日本語は味わいあり含蓄あり余韻あり。

「あのブロンド、AMラジオを買ったんだってな」
「ああ、午後も使えるって気付くまで1か月かかったらしい」
 (笑えるまで数秒かかるアメリカンジョークです)

昨今は英語表記が増え、あちこちが愚ろう、いや、グローバル化しています。
英文字は見た目がおしゃれっぽく、こればかりは日本語はかないません。
PCで文字入力をするときは、文字数26だけで変換不要の英語が羨ましくなります。

ですが、日本語は素晴らしい言葉です。日本語には、英語を上回る良さがあります。
それは含蓄や余韻があり、微妙な感情や意志の伝達ができるということです。

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(Free picture/pixabay)

誰でも冒頭のフレーズを知っている小説の一つに、川端康成の『雪国』があります。
英訳とどう違うのか、「国境」とはどう読むのか、が今回の話です。


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